北海道新幹線でどこ行く

新函館北斗駅開業効果をさらに高めるためにすべきこと

新函館北斗駅が開業して開業効果はこの先も続くのかということが気になると思います
新幹線効果が薄れてしまうことがあったとしたら、それは新幹線のせいではないと考えられます。開業後に私は函館で来訪者に意識調査をしましたが、例えば新函館北斗駅から函館駅までの移動が少し面倒だからなどという理由ではなく、観光の本質をしっかりやることで新幹線に乗ってまた遊びに来てくれるという分析結果が出ました。その目的地の観光がしっかりしていれば観光客は来ると思います。
函館は観光客の満足度は高いのですが、これを維持していく取り組みが必要です。
一方、道南地域全体を考えると公共交通のネットワークが不便という声もよく聞きます。開業当時は道南各地から新函館北斗駅とのバスの直行便を模索していました。しかし私は、まずは隣町同士の公共交通をしっかりつないだ方が、周遊型の観光客にとっては使いやすいのではないかと思います。現在ある路線バスを生かして十分に観光客が周りやすくすることは可能です。道南地域が一枚岩になることが大切かもしれませんね。
レンタカーを借りて観光することが自由で良いと考える方も増えていますが、旅先で運転をしたくないという方もいます。団体旅行ではなく個人旅行で楽しむ観光客には様々な選択肢を作って選んでもらうことも大切です。

北海道大学大学院工学研究院
准教授 岸 邦宏氏
2018年 12月