北海道新幹線でどこ行く

環境を踏まえた未来型交通やモビリティ マネジメントについて

地球環境は現在重要なキーワードになっています。
都市間の移動も公共交通機関を使いましょうとか、CO2の排出を削減しましょう、エレルギー消費を削減しましょうなどと訴えながら、自発的な公共交通の利用を図っていくというのが、モビリティ・マネジメントです。
私も10年度ほど前に新幹線のモビリティ・マネジメントに関する研究をしたことがあって、新幹線と飛行機のどちらを使うかという時に、一般的には所要時間や運賃が重要な選択要因になるのですが、そこに環境意識を入れて利用者に交通手段選択の意識調査をしました。
最初に所要時間や運賃の比較を提示して、新幹線と飛行機のどちらを使いたいか尋ね、その次に環境に関してのCO2の排出やエネルギー消費の情報提供をして新幹線の方が環境に優しい乗り物だと説明して、再度どちらを使いたいかを尋ねたところ、札幌—東京間で31%の人が利用したい交通機関を飛行機から新幹線に変えたのです。環境に優しい乗り物だと理解すると新幹線を選ぶ人が少なからずいるのです。10年ほど前にこれだけ環境に配慮する気持ちがあったことは意外でした。今、同じような調査をすると現在の方が環境意識は高まっていると思います。環境に優しいことを含めて、新幹線の良さをPRするといいかもしれません。

北海道大学大学院工学研究院
准教授 岸 邦宏氏
2018年 12月