北海道新幹線でどこ行く

新函館北斗・札幌間(建設中の区間)について

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概要

工事延長
約212km
経過地
【北海道】
北斗市・厚沢部町・八雲町・長万部町・黒松内町・蘭越町・豊浦町・ニセコ町・倶知安町・仁木町・赤井川村・余市町・小樽市・札幌市

新函館北斗
新八雲(仮称)
長万部
倶知安
新小樽(仮称)
札幌

開業年度の見直しについて

 新函館北斗・札幌間は、平成24年(2012年)に認可・着工され、新函館北斗開業の概ね20年後(2035年)までの開業が予定されていましたが、平成27年(2015年)の「政府・与党申合せ」において、令和12年度末(2030年度末)の開業を目指すことを決定しました。
 しかし、令和6年(2024年)5月に建設主体の鉄道・運輸機構より、2030年度末の完成・開業の目標達成は極めて困難であると判断した旨が国土交通大臣に報告されました。
 この報告内容が合理的であるか、講じることができる方策がないか、有識者の知見も頂きながら様々な角度・観点から検討を行うため、国土交通省による「北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の整備に関する有識者会議」が開催され、令和7年(2025年)3月に有識者会議が取りまとめた報告書が公表されました。

検討結果

  • 現在の工程遅延状況に加えて、地質不良や労働時間規制等による今後の工程遅延の見込みを考慮すると、工程短縮策を加味しても、2030年度末の完成・開業は困難との鉄道・運輸機構の報告内容は合理的。
  • これまでの施工実績や把握できた地質状況等を踏まえ、発現の蓋然性が高いリスクや採用可能な工程短縮策を前提とした場合、現時点では、完成・開業は概ね令和20年度末(2038年度末)頃の見込み。
  • 特に工程への影響が大きい更なるリスクが発現した場合、さらに数年単位で遅れる可能性。

今後の対応

  • 掘削の難航が続くトンネルについて、未掘削区間の地質の全容把握には至っていないことなど、現時点の開業見通しには相当程度の不確実性が残るため、渡島、羊蹄、札樽トンネルの貫通に一定の目途が立った段階で、高架橋等の工事状況や設備工事の更なる工程短縮策の実施可否等を見極めた上で、改めて全体工程を精査し、開業時期を定めることが適切。
  • 沿線自治体は、発生土受入地の確保等に当たって協力が不可欠なプロジェクト・パートナー。北海道新幹線札幌延伸推進会議や鉄道・運輸機構の地域連携チームを通じて、工事の進捗状況やリスクの発現状況等について、随時情報共有すること。
  • 足下の物価高騰、工程遅延や工程短縮策の実施等が事業費に与える影響について、工事の進捗と併せて注視すること。
  • 関係者が一丸となって、リスクの発現やその影響を最小限にするための取組み等を進め、一日も早い開業に努めること。

国土交通大臣からの指示事項

有識者会議の検討結果を受け、国土交通大臣から鉄道局及び鉄道・運輸機構へ、以下3点指示

  1. 1. 今後の見通しについて、沿線自治体等の関係者に丁寧かつ速やかに説明を行うとともに、関係者の理解と協力を得るためにも、引き続き、工事の進捗状況やリスクの発現状況等について、随時情報共有すること。
  2. 2. 現時点の開業見通しには相当程度の不確実性が残るため、トンネルの貫通に一定の目途が立った段階で、改めて全体工程を精査すること。
  3. 3. 沿線自治体、営業主体であるJR北海道等の関係者と一丸となって、リスクの発現やその影響を最小限にしつつ、工程にも工夫を凝らし、一日も早い完成・開業を目指すこと。

トンネルの貫通に一定の目途が立つ主な条件

(1) 渡島トンネル
【条件】未掘削区間の地質の全容把握が必要。そのためには、少なくとも長尺ボーリング調査により、工区全体の地質の状況の把握が可能な位置まで掘削が行われることが必要。(南鶉工区、台場山工区において、掘削残延長が1km以下(両方向から長尺ボーリングによる地質の把握が可能な延長)となることが目安)

(資料提供 鉄道・運輸機構)

(資料提供 鉄道・運輸機構)
(2) 羊蹄トンネル
【条件】高密度弾性波探査により抽出した岩塊の出現リスクが高い区間の掘削が完了することが必要。

(資料提供 鉄道・運輸機構)

(資料提供 鉄道・運輸機構)
(3) 札樽トンネル
【条件】掘進が想定通りであることを前提に、掘削残延長の全発生土量<対策土受入地の残容量となることが必要。
(掘削残延長分の全ての発生土が対策土であっても対応可能となる時点)

(資料提供 鉄道・運輸機構)

(資料提供 鉄道・運輸機構)

北海道新幹線札幌延伸推進会議

 道では、報告書の内容について、国土交通省及び鉄道・運輸機構から説明を受けるため、令和7年4月13日に「第2回北海道新幹線札幌延伸推進会議」を開催しました。

<地元関係者からの主な発言>

自治体

札幌開業の遅れは、今後のまちづくりに及ぼす影響は否めず、駅前のホテル建設計画が延期されるなどの影響が出ている。

開業により、医師が札幌から通勤可能になることで医師不足の解消に貢献できると大きな期待を持っていたが、開業が遅れることで非常に厳しい状況になる。

資材価格や人件費の上昇により、事業費の増加が懸念されることから、地方負担の軽減等についてご理解いただきたい。

経済団体

札幌開業による経済効果は甚大であり、8年遅れることによる地域経済への影響は計り知れない。

新たな開業時期が示されていないため、沿線のまちづくりや設備投資への影響は大きく、また、札幌、倶知安、ニセコ地域を中心とした不動産投資の減退が懸念。

札幌開業により見込まれる様々な効果を補完する観光事業への支援が必要。

JR

債務等処理法に基づく国による支援が2030年度までとなっており、当社の徹底した努力を前提に開業が遅れる場合の必要な法改正並びに必要な支援の継続をお願いしたい。

北海道

開業が延期された場合、これまで以上に交通ネットワークの充実・強化が必要と考えており、高規格道路及び広域交通ネットワークの整備促進のほか、主要空港である新千歳空港と札幌間のアクセス強化なども必要。

影響の最小化に向けた対応については、国土交通省が主体的な役割を果たし、幅広い分野を包括的に支援する政策パッケージの作成などについて、政府をあげて検討・実施することをお願いする。

鉄道・運輸機構においては、開業時期をできる限り早く示していただくとともに、一日も早い完成・開業を実現するよう強く要請。

<地元関係者からの発言を踏まえた国及び鉄道・運輸機構からの主な発言>

国交省

本日お聞きしたお話については、決意を持って重く受け止める考え。

完成・開業の遅れに伴う影響については、丁寧に具体のご要望をお伺いするよう大臣から厳命されており、鉄道局を窓口として具体的なお声をお寄せいただきたい。

事業費については、報告書において「工事の進捗と併せて注視することが必要である」と記載されていることを踏まえて、適切に対応してまいる。

関係者の理解と協力を得て、一丸となって一日も早い完成・開業を目指してまいる。

鉄道・
運輸機構

リスクの把握・回避に努め、安全に配慮しつつ、効果的な工期短縮策の実施、工事の着実な進捗を図ってまいりたい。

なるべく早く具体的な開業時期が定められるよう、まずは、トンネルの掘削等の土木工事に全力を傾けていく。

会議資料・議事録はこちらからご覧ください

トンネル工事の動画

鉄道・運輸機構では、各トンネルの工事現場の様子を動画で紹介しています。

<鉄道・運輸機構のYouTubeチャンネルはこちら>

駅のデザイン決定・起工式など

中間4駅の駅デザイン案

鉄道・運輸機構では、新駅が設置される自治体より駅デザイン案を受領し、これらのデザイン案を基に各駅舎の詳細設計を進めています。

起工式の開催状況

各起工式の開催状況は鉄道・運輸機構のインスタグラムで紹介しています!