江差日本遺産登録〜北前船
この人に聞きました
- 江差町役場追分観光課
主幹 - 佐々木 昭弘氏
2018年8月
平成29年4月に江差町は北海道で初めて日本遺産に認定されました。 これは地元にとって待ちに待った事だったんですね。
日本遺産は、1つの地域が単独で認定される「地域型」と複数の地域が認定される「シリアル型」の2つのタイプがあるのですが、江差町は単独で、また北海道にはそれまでなかったので、小さな町で認定を受けるのはハードルが高く、それだけに決まった時には町民の皆さんの喜びも大きかったです。
江差町公式ホームページより(江差町は北海道初の「日本遺産」認定のまち)
http://www.hokkaido-esashi.jp/modules/sightseeing/content0106.html
「江差の5月は江戸にもない~ニシンの繁栄が息づく町」というストーリー。
具体的に説明していただけますか?
北前船の寄港地であった江差ですが、北前船で各地に運ばれたニシンにスポットをあてました。かつて江差でニシンがたくさん獲れた時代に北前船が大阪から出発して日本海を渡ってニシンを求めてやってきていました。
物だけではなく歌や踊りなどの多くの文化ももたらされました。こうした文化や街並みなど、かつてのニシンによる繁栄の様子が町の至る所に残っていることの価値が認められたものです。
また、「5月は江戸にもない」というのは、ニシンが獲れる時期に北前船がこぞって江差にやってきて、特に賑いを見せる5月は、当時の日本の中心であった江戸を凌ぐほどだったということによります。
ニシンの繁栄と北前船は切っても切れない関係だと思いますが、
江差にとって北前船はどのような存在ですか?
いまの江差が形作られたというのも、北前船があったからと言えると思います。この背景には、今も町のシンボルとなっている「かもめ島」が天然の防波堤の役割を担い、北前船交易を盛んにしたという地理的に恵まれた条件もありました。
ニシン交易によって町に大きな富がもたらされたほか、民謡の江差追分も、原型は本州に伝わるもので、江差に渡ってきて「民謡の王様」と呼ばれるほど有名になりました。
新幹線が通ったことにより、観光客の方の行動もこれからさらに変化があると
思いますが、他に江差のどんな所を見て感じて欲しいですか?
日本遺産に認定されたということは、江差の価値が認められたということだと思いますが、その価値をより分かりやすく伝えるため、バーチャルリアリティ(VR)で体感できる仕組みを作りました。ぜひスマホを片手に江差の町を歩いていただきたいと思います。さらに、江差町には、幕末のロマンが感じられる、榎本武揚の旗艦「開陽丸」の復元施設や、土方歳三に縁があるとされる「嘆きの松」といったスポットもあります。日本海を望む絶景のなかで、歴史・文化を多くの方に感じていただければと思います。
街並みもきれいになりましたよね
昔の街並みを再現した「いにしえ街道」が約1km に渡って整備されました。景観に配慮した街並みとなっており、国の重要文化財の「旧中村家住宅」をはじめ、風情ある建物が建ち並ぶ通りで、気軽に散策を楽しむことができると思います。
この「いにしえ街道」のほか、町内には地元の食材を使った飲食店などもあり、「ニシンそば」など、江差ならではの食も楽しんでもらえればと思います。
新幹線が開通してから何か観光的に変わったなと思う事はありますか?
2016 年3月に、北海道新幹線が木古内と新函館北斗に来て、江差に来る観光客の利便性は高まったと思います。しかしながら、まだ新幹線の効果を活かしきれていないと思いますので、もっと新幹線利用客にも、江差に来ていただけるような取組を進めていければと思います。
新幹線が開通してから何か観光的に変わったなと思う事はありますか?
2016 年3月に、北海道新幹線が木古内と新函館北斗に来て、江差に来る観光客の利便性は高まったと思います。しかしながら、まだ新幹線の効果を活かしきれていないと思いますので、もっと新幹線利用客にも、江差に来ていただけるような取組を進めていければと思います。
佐々木さんからのメッセージ
江差町は、北海道の中でも特別の文化を持った場所で、ある意味北海道らしくない町かもしれません。北海道をよく知っている方でも江差というまちは新鮮に感じると思いますので、ぜひお越しいただき、ご自身の目でご覧ください。 また、江差には話し好きな町民も多いので、機会がありましたら、話をしてみていただきたいです。江差がやみつきになるかもしれません。
※他にもある南北海道の日本遺産登録
「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間 ~北前船寄港地・船主集落~」
北前船 KITAMAE 公式サイト【日本遺産・観光案内】https://www.kitamae-bune.com/