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洞爺湖有珠山ジオパークの魅力

この人に聞きました

洞爺湖ビジターセンター/
火山科学館 館長杉上 繁雄氏

洞爺湖ビジターセンター/
火山科学館 館長
杉上 繁雄氏

2018年8月

Q洞爺湖有珠山ジオパークの特徴は?

噴火する火山が洞爺湖有珠山ジオパークの特徴です。
変動する大地との共生、噴火する有珠山と共生することが最大の特徴でここでは様々なことを学ぶことができます。
そして噴火による恵みを私たち人間を含む生物はたくさん頂いています。
温泉はもちろん、火山灰質のアルカリ質の高い水はけの良い大地では多種多様な作物が栽培されています。採れないものがないというほど、農作物、果樹も含めて栽培し収穫されています。水産物も、有珠山は昔大きな山崩れの山体崩壊があり洞爺湖の入り江から伊達市の有珠地区にかけて岩石が流れ岩礁ができて、魚類や貝類が住みやすい地形ができました。
このため、縄文人やアイヌの人たちも豊富な魚介類を採って生活していたとみられます。
有珠山周辺は北の湘南と呼ばれていまして温暖で雪も少なく住みやすい気候が特徴です。

Qユネスコ世界ジオパークに認定されて変化はありましたか?

100年近い間に有珠山は4回噴火をしているのですが、噴火に対する犠牲者が出ていないのが特徴で、有珠山は教えてくれる山としても有名です。前兆地震などの前兆現象が必ずあるので、それを元に研究者など様々な人たちから安全な場所に避難するようにという指示が出て、噴火の危険な時期をやり過ごしてからまた元の生活に戻っていくとう形が作られてきました。その減災・防災という部分をアピールして活動してきたこともユネスコ世界ジオパークに認定の審査のポイントになったのではないでしょうか。
認定されることによって世界に認められて、情報発信によりが海外から見学に来る方がかなり増えました。そして火山科学館を中心に、全国各地から防災学習のために足を運んでくれるようになりました。

Qジオパークを楽しむにはどうしたら良いですか?

実際に来ていただいて、地元のガイドから説明を聞いて感じてもらうのが一番良いと思います。その点では洞爺湖ビジターセンターと火山科学館は拠点施設となっています。洞爺湖ビジターセンターは洞爺湖周辺のこと、有珠山・洞爺湖の成り立ちや自然の動植物の紹介を詳しくパネルで行っています。併設されている火山科学館では一番のメインは2000年の有珠山噴火の映像を見ていただくことによって、噴火の恐ろしさと合わせて優しい山であることも理解していただけると思います。一部、昭和52年の有珠山噴火の記録も紹介しています。小さなお子さんから大人まで興味を持ってご覧頂いています。

Q新幹線が開通して何か変化はありましたか?

東北地方の学生さんの修学旅行の方が増えたかなと思います。この後、札幌まで延伸すると今以上に効果が目に見えて現れるのではないかなと期待をしていますが、待っているだけでなく迎え入れる行動もしていこうと思います。

Qどのように洞爺湖有珠山ジオパークを楽しんで欲しいですか?

とにかく見て感じて欲しいです。昭和新山の珍しい形の溶岩ドームやロープウエイから見る風景、噴火湾の眺めも素晴らしいです。じかに感じていただくこととしては、幾つかの散策路があるので見て欲しいです。特に西山山麓火口散策路は2000年3月31日に噴火した火口で約70メートルほど地面を押し上げたところがあります。押し上げられたことで、国道や町道が階段状になっていたり、火口も残っているので、当時の様子を見て感じていただけると思います。1時間ほどで見て回れるので是非体験してください。この他にも30分ほどで回れる散策をもあるので時間や体力に合わせて歩いてみてください。

洞爺湖ビジターセンター/
火山科学館 館長杉上 繁雄氏

館長からのメッセージ

洞爺湖有珠山ジオパークは火山からの贈り物がたくさんあります。 泉質の良い温泉、火山灰からなる肥沃な大地から生まれる農作物や果樹。そして噴火湾の魚介類。また自然豊かな景色もご馳走です。 噴火を繰り返してきたからこその防災・減災の知識も学んでいただけるように火山科学館もあります。 ぜひ観光の途中にでも立ち寄ってみてください。

※他にもある北海道のジオパーク
北海道庁ホームページ(総合政策部地域振興局地域政策課)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/ckk/hokkaidonaigeo.htm#道内のジオパーク

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