青森県十和田市でアートに触れる楽しみ
この人に聞きました
- 十和田市現代美術館
- 土井 太陽氏
2018年9月
十和田市現代美術館の特徴は?
十和田市現代美術館は、1 つ1 つの展示室をアートのための家として独立させていることが特徴です。広い敷地に白い箱型の建物が点在しており、それらをガラスの廊下でつなげています。建物を分散して配置されている構成は、広場と建物が交互に並ぶ官庁街通りの特徴からアイデアを得ています。アート作品と街がお互いに影響し合い、結びつくように作られています。
作品が展示されている一部のスペースは、大きなガラスが通りに面していたり、向かいのアート広場や官庁街通りにも作品が点在しているので、十和田市の街を散歩しながらアートを楽しむことができます。
当館の常設展は、展示空間全体が作品となるインスタレーションという手法で作品を展示しています。1 つの空間に1 つの作品を展示しているため、アート作品に入り込むような、他の美術館ではなかなかできない体験をすることができます。
展覧会によっては商店街の方々にも協力していただいて、街中にも作品を展示して、美術館と街がつながれるような展示やイベントをしています。
十和田市と現代美術の歴史について
国の出先機関の統廃合によって空き地が目立ってしまった官庁街通りの景観の保全と街の活性化のために、2002 年からアートによるまちづくりプロジェクト「アート十和田」の構想が始まりました。十和田市現代美術館は、そのプロジェクトの中の機能「アートを街へ発信する核となる施設」として2008 年に建てられました。美術館の中だけでなく、官庁街通りや街中へアートが飛び出して行き、作品を見に美術館へ、というだけではない、新たなアートとの接し方ができる場所になっています。
2010 年には官庁街通りを挟んだ美術館向かいのアート広場が完成し、カラフルで不思議な作品が並ぶ広場には、今ではたくさんの子どもが遊びに来てくれて、かつては静かな通りだったのが今では賑やかな通りとなっています。
十和田市は、開発されてできた新しい街なので、どんどん新しいものを取り入れた結果、今の十和田市ができています。
ですので現代アートも10 年かけて、少しずつ街へ溶け込んでいき、アートが側にあるのが当たり前、と市民の皆様が思ってくれたらいいなあと思っています。
土井さんからのメッセージ
十和田市は、街中に現代アート、郊外へ少し足を延ばすと雄大な自然を楽しむことができます。十和田市だけでなく青森は全体的に農業が盛んで、特にニンニク、ナガイモ、ゴボウ、ネギがとっても美味しいので、ぜひ召し上がっていただきたいと思います。現代アートで驚きの体験をして頂き、自然と触れ合い心を癒し、美味しいものを食べる。ぜひ、いつもとはちょっと違った日常を味わいに来ていただけたらな、と思います。皆さんのお越しを心よりお待ちしております。