思いをつなぐ、夢をはこぶ 北海道新幹線の開業に関わる人々の「思い」に触れるインタビュー

夢や希望をレールに乗せて 完成の日まで現場を指揮 独立行政法人 鉄道・運輸機構 北斗鉄道建設所 所長 増田 康男(ますだ やすお)さん

スタッフ一丸となって北海道新幹線の建設に挑む

「鉄道好き」が未来の仕事に
2016年3月、北海道新幹線の新青森駅から新函館(仮称)駅間が開業します。北海道新幹線は、東北新幹線の新青森駅から札幌市に至る、約360kmに及ぶ路線です。この建設にあたっては、2005年4月に新青森から新函館(仮称)間の実施計画が認可・着工となりました。鉄道の建設作業については、全国の新幹線や都市鉄道を建設している鉄道・運輸機構が担当しています。新青森から新函館(仮称)間約148kmの建設工事を行う北斗鉄道建設所で、所長を務めているのが増田さんです。
増田さんは兵庫県出身。幼い頃から鉄道が大好きで、鉄道好きな友人と青春時代を過ごしました。また、学生時代は電車通学だったこともあって、増田さんにとって鉄道は生活の一部となっていました。将来は大好きな鉄道の仕事に就きたいと、就職活動も鉄道関連を受験し、鉄道・運輸機構に入りました。
建設中の新函館(仮称)駅の全景

建設中の新函館(仮称)駅の全景

車両基地内建物

車両基地内建物

チームワークで作業を乗り切る
鉄道の建設工事は、現地調査に始まり、関係機関との協議、用地協議・取得、そして土木・軌道・機械・建築・電気などの5系統の調整、鉄道施設の設計・施工、事業実施に伴う資金調達までを統括して行う必要があります。
関係市町村や地区ごとに地元説明会を行い、中心杭打ちや縦横断測量を実施。協議の後、構造物の設計を確定し、用地幅杭建植、用地協議・取得、工事説明会、工事監理を経て完成となります。
今回の北海道新幹線の建設工事の工期は、工事を始める時点で、全体の延長やトンネルや高架橋など構造物の種類から土木工事の工期を算定し、その後の設備(建築・軌道・電気・機械)工事に要する期間を、過去の実績から想定して完成期限を決定しています。
増田さんは北斗市と七飯町管内の土木工事の工事監督や地元との協議を担当。また、車両の整備・点検を行うために必要となる施設「函館総合車両基地」の工程管理業務を行っています。車両基地内に必要な設備を開業までにJR北海道に引渡しできるよう工事の工程全体を管理しています。増田さんは日々現場での指示とデスクワークの両方を行っています。「現場の工事は予定通り順調ですね」と語ります。スタッフは20~60歳代と幅広く、施工管理、施工管理補助、事務員で構成されています。現場ではベテランが若手をフォローし、スタッフ同士、協力しあって作業を進めていこうという雰囲気に包まれています。
部外・部内とさまざまな部署との連絡や調整を担当し、現場で何か問題が発生した際には、すみやかに会議室に担当者が集合して話し合い、問題点を解消しています。また、北海道新幹線建設局とのやり取りは、電話やメール、テレビ会議システムなどを利用して円滑に進めています。
対策を徹底して環境の変化に対応
増田さんは、北海道新幹線の建設事業に携わる前は、成田空港へ向かう空港アクセス鉄道の建設や鉄道建設に関する種々の技術基準類を整備する業務を担当していました。
これまで全国各地の鉄道建設に携わってきましたが、北海道での作業は初めて。プライベートでも一度しか訪れたことがなく、北海道での働くイメージをなかなか描けずにいました。
実際に工事が始まっている今、現場での作業は天候に左右されることも多々あります。「これまで北陸地方でも作業したことがありますが、北海道の寒さは比べものにならないですね」と増田さんが語るように、天候により作業を調整しています。
たとえば夏季は熱中症に警戒して、こまめな水分補給などの対策を徹底、冬季は暖房などの寒さ対策に加え、凍結した路面で転倒事故などが起きないよう、災害対策を徹底しています。工事の受注者に対しても、過去の事例を参考にしながら天候状況に十分注意するよう、定例で開かれる協議会や現場のパトロール時に注意喚起を行っています。
事務所でスタッフと打ち合わせ中

事務所でスタッフと打ち合わせ中

完成のその日まで走り続ける
新函館(仮称)駅は、自然と調和するモダンで温かみのあるデザインが魅力。着々と構造物が完成へと近づいていく様子にやりがいを感じているという増田さん。
2014年の春以降は、開業についての検査、新幹線車両の搬入、列車の走行試験と、開業へ向けてさらに作業が進んでいきます。「今後も工程が円滑に進み、2015年度末の完成に間に合うよう自分の業務を進めることが先決ですね」と語ります。
「2016年3月に北海道新幹線が完成した際には、道内への観光客が増え、北海道内が今まで以上に活気付いてほしいですね」と期待は膨らみます。北海道新幹線開業までもうすぐ。増田さんが敷いたレールの上を北海道新幹線が走るその日は一歩ずつ近づいています。

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